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July 03 2017

「けもフレ」をへびろてする,他 - remark

あぁ,1年が半分終わっちまったですよ。 なんちうか,1年の後半最初の週末を自堕落に過ごしてました。 具体的には「数学ガールの秘密ノート」シリーズ最新刊を読みながらスマホ版の FF15 の状況をチェックし, BGV に「けもフレ」をへびろてしてる感じ。

「けもフレ」をへびろてする

ついに Hulu に「けもフレ」が登場したですよ。

わーい。 たーのしー!

もう早速ヘヴィローテーションしてるですよ。 そしてラスト2回で毎回泣きそうになる

いや,もうね,カープの試合で新井さんが打席に立つ度に脳内で「アライさんにおまかせなのだ!」とアライさんが叫ぶのですよ。 あとキタキツネは他人事とは思えない。

今までは Amazon ビデオで見てたんだけど,あそこって「けもフレ」は Prime 指定じゃなかったので,一話づつレンタルしながら見てる程度だったのよ。 いやぁ,よかったよかった。

ありがとう,Hulu。

「新たなる王国」に韓国語圏ユーザ大量流入の巻

ついにスマホ版の FF15 がサービスを開始した。

「モバスト」をつくってる会社が主に制作・運営を行っているようで,世界観を FF から借りてるだけの概ねモバストである。 これを FF だと思ってゲームを始めたらビックリするので要注意。

とりあえずアプリ内課金の広告がウザい。 情報の不整合が頻発して何度もアプリを再起動しないといけないのもウザい。 行軍すると必ず接続が切れたとエラーになるのは何故? これちゃんと負荷テストとかやってるの?

とはいえ,最近こういうタイプのゲームをやってなかったので,まぁまぁ楽しく遊んでる。 今のところガチャ要素はない。 これまた結構。

ところで launch 早々,大量の韓国語圏ユーザが流入してきたわけだが,なかなか面白い振る舞いをしているようだ。

新たなる王国」では「王国」同士で「ギルド」をつくって1 交易を行ったり共同戦線を張ったりできるのだが,どうやら資源を融通してもらうためにあちこちのギルドを渡り歩いているユーザが結構いるらしい。

彼等はギルドに入って資源を融通してもらったら脱退するという行為を繰り返しているようだ。 これをやらかしてるのが「韓国語圏ユーザ」ばっかりに見えるのだ。 そんで,私が入ってるギルドでは「日本人ユーザ」以外は追放しようとか過激な意見が交わされている2

もっともグローバル・チャットはほぼ韓国語で埋め尽くされてるので(自動翻訳は付いてる),実際には日本語圏ユーザはむしろ少数派なのかもしれないが。

なんちうか韓国語って,それを話す人は上は大統領から下はネットユーザまで妙なメンタリティを身につけるのかしら。 個人的にはコンテンツのリージョン・コントロールには否定的な立場なのだが,こうもメンタリティが異なるのでは分割もやむなしかもしれん。

「数学ガールの秘密ノート」シリーズ最新刊の感想は

別途記事にする予定。


  1. 「領国 $\supset$ ギルド $\supset$ 王国」という包含関係は妙な気がするのだが,ツッコんでもしょうがないか。ちなみに「領国」とはサーバリージョンの単位を指すようだ。どの領国に配置されるかについて現時点でユーザは選択できない。もちろん所属する領国の外にはアクセスできない… 筈なのだが混雑時には何故か他所の領国が表示される場合がある。 EC サイトなら大問題に発展するところだよ。ゲームでよかったね(笑) [return]
  2. これは明らかにゲーム・システムの不備。「新たなる王国」ではギルドへの加入・活動・脱退について何の制限も義務もない(ギルドの管理権限は別)。制限といえばせいぜい掛け持ちできない程度で,全くコスト無しでギルドに入ってコミュニティ内のリソースを食い散らかして逃げることができる。今は見かけないが寝返りやスパイもやり放題だろう。一応,ギルド内のランクはあるが,交易等に関しては制限されない。管理者側でできるのは「追放」くらいか。これでは手動で spam 対策をやらされているのと同じである。「初めてゲームを作りました」ってわけでもないのに,なんでこんなゲーム・システムになってるんだか。 [return]

June 28 2017

「さよならはてなダイアリー」 ― 黒 Web 2.0 の終焉 - remark

ぶちウケた!

この「日本でほぼ初めてのブログサービス」って強烈な皮肉だな。 おぢさん, “blog” 輸入当時の(ネット限定の)大狂騒を思い出してしまったよ。

ほんでもってこれが登場するわけだ。

つまり「はてなダイアリー」は “blog” に対するアンチテーゼだったんですよ,当時は1。 今から見れば中二病全開のサービスだったとも言えるけど。 みんな若かったんだねぇ。

まぁそんな「日本における Web 2.0 の黒歴史」の代表とも言える「はてなダイアリー」も7月で新規受付終了なんだとか2。 あと数年もすれば,きっとなかったことになるんだろうね。 君の机の引き出しにあるポエム・ノートのように(笑)

そして「すべては歴史の闇の中」ですな。


  1. ちなみに米国で一部の大学生を対象に Facebook がサービスを開始したのが翌2004年である。日本の mixi も同じく2004年からサービス開始。これ以降,日本では「日記」は SNS や「プロフ」へ急速に移行していく。「ぱど厨」なる言葉が登場したのも2004年頃か。更に Twitter が2006年,Tumblr が2007年にサービスを開始し,ユーザがサービス間を渡り歩いたりするのが当たり前になる。 [return]
  2. はてなブログは継続。しかし,SNS が主流になり「ブログ」が完全に下火なった2013年からようやくブログサービスを始めたはてなは流石としか言いようがない(笑) ちなみに Facebook が Instagram 買収を発表したのはそれより前の2012年である(当時 Android 版のアプリが出たばかりでショックを受けたのを覚えている)。 [return]

June 21 2017

ATOM 1.18 stable リリースで公式に Git 機能に対応 - remark

先週 ATOM 1.18 の stable 版がリリースされたが,公式に git 機能が組み込まれたようだ。

もともと core package として git-diff は組み込まれていたのだが,実際のリポジトリ操作には git-plus 等の外部パッケージを使わざるを得なかった。 これが github として core package に組み込まれ,リポジトリ操作が GUI で提供されることになったわけだ。 よーやくですよ!

Atom 1.18 Atom 1.18

Stage や commit/amend や fetch/pull/push といった基本操作はもちろん,hunk1 を選択して stage すること(git add -p 相当)も GUI で可能なようだ。 よしよし。 ただし stash や cherry-pick といった細かい操作はできなさそうっぽい?

ただ,良くも悪くも GUI なので「マウスやトラックパッドなんて飾りです。偉い人には…」な方々には従来通り git-plus のほうがお勧めである。 余談だが,私は command palette を F1 キーに割り当てているが(秀丸を使っていた頃の名残), git-plus 専用のメニューは shift-F1 キーに割り当てている。 こんな感じ。

'.platform-win32':
  'shift-f1': 'git-plus:menu'

もうひとつの機能である GitHub との連携(今のところ pull request の表示のみ?)であるが,これを使うためには access token を取得して ATOM に登録する必要がある。

では,たのしくお仕事しましょう!

ブックマーク


  1. 変更箇所のひとかたまりを git では hunk と呼ぶ。 Hunk の概念は cherry-pick 時にも出てくるので覚えておくとお得。 [return]

June 09 2017

お金を払いたくなるような... - remark

どうも,久しぶりの更新。

私事なので詳しくは書けないのですが,実は4月末あたりから環境が激変してしまして,ここ1ヶ月位はほとんどネットも見ていません。 自宅のテキストエディタも久しぶりに開きました。 もう少ししたら落ち着くと思います。

ここは生活のために書いているわけではないので,これまでどおり「書きたくないときには書かない」ということで。 昔は仕事が忙しすぎて半年くらい音沙汰なしとかあったもんなぁ。

さて,そんな日常生活とは別に久しぶりにゲームにハマりましたよ。

『アナザーエデン 時空を超える猫』 イメージPV - YouTube

Google Play でやたら評価の高いゲームがあって1,試しにやってみたら面白かったのだ。 年配の方2 には「クロノトリガーみたいな一人用 RPG」と説明すれば分かりやすいかもしれない。 まぁ,加藤正人さん等が制作に携わってるらしいのでクロノトリガーっぽくても納得だが。

こういう「Polchinski のビリヤード」のようなタイムパラドックスものって日本人は大好きだよね。 昨年話題になった「君の名は。」もそうだし。

インストールは無料でゲーム内課金ができる。 ただし,お金を払わなくても十分遊べる。 全26章のメイン・シナリオと外伝的なサブ・シナリオ(クエスト形式)がある。 外伝のシナリオは逐次追加配信されるようだ。

メイン・シナリオの18章までは何も考えずさくさく進めたが,終盤で行き詰まってしまった。 どうやらテキトーにキャタクタを編成してレベルアップさせただけでは無理っぽい。 ので,現在は腰を据えてキャラを調教もとい育成中である。

ソーシャル要素は一切なし。 ここが重要。 いや,もう,ソーシャル・ゲームはわりかし満腹なのよ(あっ,でも「リネージュ2 レボリューション」は事前登録したよ)。 かといって今更コンシューマ機でゲームなんかする気もないし。


こっからは感想というか戯れ言。

1年半前に MFF をやり始めてからスマホ用の国産 RPG を色々試してるんだけど「ガチャ」機能のないゲームって見当たらないよね。 そう考えると Ingress やポケモン GO がいかに秀逸なゲームだったか,と思う。

ゲームの「ガチャ」についてはそれぞれ思う人がいると思うが,個人的には「リセマラしないと進められないゲームはクソゲー」だと思う。

随分前から言われているけど,情報にまつわるほぼ全てのものがコモディティ化している現代に(本にせよ音楽にせよゲームにせよ)コンテンツそのものには金銭的価値がなくなっているわけよ。 そうなるとどこに(お金が取れる)価値を見出すかって話になるわけで,それはもうユーザの「体験」しかないということになる。

ゲームってのは単なるコンテンツじゃなくて体験(play)そのものである。 であるなら,その体験の中でいくらでもお金を取る機会はあるはずだろう。 なのに日本の制作会社の多くは「ガチャ」という射幸心を煽るだけの最も安直な手段を選択してしまった。

ここ1年半の間に幾つかのゲームで遊んでみたけど「ガチャ」はゲーム内のバランスを壊しかねない危険な機能である。 特にソーシャル・ゲームではガチャにつぎ込んでレア・アイテムを手に入れないと他のユーザと並び立つこともできないというかなり残念な状況になっている(ゆえにリセマラみたいな謎の儀式が行われるわけだが)。 これが私にとって「ソーシャル・ゲームはわりかし満腹」な理由でもある。

この点,一人プレイの「アナデン」は他者との比較がないぶんゲーム世界に没入しやすい。 ていうかコンピュータ RPG の面白さって本来は「いかにゲーム世界に没頭できるか」だと思う3

私は「ガチャ」は無料枠で済ませ,バトル・コンティニュー用の保険として少額を課金した4。 今後もゲームを続けるなら課金することもあるかもしれない。

(本にせよ音楽にせよゲームにせよ)多くのユーザは良い体験にはちゃんとお金を払う。 もちろん体験の仕方は人それぞれだが。 大事なことは「良い体験」に対して自然にお金が流れるような仕組みを作り上げることである。 お金は価値可換な媒体であり社会を巡る血液のようなものである。 無理な搾取をしたり必要なところに行き渡らなければシステムが壊死を起こす。 ゲーム分野でも(廃ゲーマから搾取するのではなく)もっと薄く広くお金を取れる体験を提供できるよう努力すべきなんじゃないのか。

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[まとめ買い] 賢者の弟子を名乗る賢者(GCノベルズ)
りゅうせんひろつぐ 藤ちょこ
評価

最近のお気に入りラノベ。 Web 版も愛読している。こういう設定のゲームとかあったら楽しいかなぁ。

reviewed by Spiegel on 2017-06-09 (powered by G-Tools)


  1. 量が全てではないのだが,スマホのゲームは詐欺アプリも多く,制作会社とレビューを見て,なるべく身持ちの固いものを選ぶようにしている(ちなみに評価のうち★2以下は無視している。低評価のものをわざわざレビューする奴の気がしれない。誰に対するヘイトなんだw)。「アナデン」の制作会社である Wright Flyer Studios 社はゲーム会社としては有名だし,まぁ大丈夫かな,と。 [return]
  2. 「クロノトリガー」の初出は1995年なので,当時10歳だったとしても三十路に突入している。ちなみに私は既に30歳だったけどね(笑) [return]
  3. 私のコンピュータ RPG の原体験は「ウィザードリィ」と「ドラクエ」なので,若い人たちとは感覚が違うかもしれないが。 [return]
  4. アナデン」では今のところガチャと戦闘中のコンティニューが課金対象である。もちろん無料枠で済ますことも可能。 [return]

May 12 2017

珍しくこの時間にタクシーより人が多い。

May 11 2017

朧月

May 07 2017

『法のデザイン』を斜め読みした - remark

GW の読書の課題として『法のデザイン』を読み始めたのだが,既に第一部で「えー? うーん?」な感じになり挫折してしまった。

最初はいちいちメモしてたんだけど早々に諦めて以降は斜め読み。 なので,『法のデザイン』についての感想というより読みながら頭の中で考えたことをつらつらと吐き出してみる。

あらかじめ予防線を張っておくと,私は法の専門家ではないしそれを目指しているわけでもない。 その辺を割り引いて読んでいただければ幸いである。

制約は構造を生む

公理によって与えられる暗黙の制約。この制約が集合の要素同士をしっかり結びつける。単純にしばるのではない、相互に秩序ある関係を結ぶ。言い換えれば――公理によって与えられる制約が構造を生み出しているのだ
via 数学ガール/フェルマーの最終定理

法のデザイン』を一言で要約するなら「制約は構造を生む」ということに尽きる。 その制約とは法(Law)・規範(Norm)・市場(Market)・アーキテクチャ(Architecture)からなる「4つの規制1」を指す。

「4つの規制」は新シカゴ学派の理論大系で出てくる概念である。 中でも法は「規制を規制するもの(meta-regulator)」であり,他の3規制を法によって規制することで「主体」を規制することが可能であるとされている。 これを「共同規制(co-reguration)」と呼ぶらしい。 本のタイトルにもなっている「法のデザイン(legal design)」もこの共同規制の延長線上にあると考えていいかもしれない。

Copyleft という法的 Hack

「自由なソフトウェア(Free Software)」運動における copyleft の考え方(およびそれを実装した GNU GPL)が優れた法的2 hack である,というのは有名な話である。

この copyleft が Linux のような製品の台頭を促し,オープンソース・ソフトウェア(Open-Source Software; OSS)という paradigm shift を引き起こし,更にはコンピュータ・ネットワークの産業構造をも変えていく。

こうした一連の過程は法そのものにも影響を与える。 たとえば米国の DMCA (Digital Millennium Copyright Act) は現在も批判の多い著作権関連法だが,適用除外既定については定期的に見直されており,ここ10年くらいでは規制が緩められる傾向にある。

たしかに法には「規制を規制するもの」としての側面があるが(数学の公理のように)絶対不変ではなく,「4つの規制」はお互いに影響を与えながら変質する。 「法のデザイン」は単なる設計ではなく,こうした相互作用を測定しながらチューニングを繰り返すプロセスが重要になってくる。

規制は規制に汚染される

「4つの規制」はお互いに影響を与えながら変質する,ということで言うと近年のバズワードのひとつになっている人工知能(AI)が挙げられるだろう。

機械学習なんてのは体のいい洗脳である。

たとえば AI が人類を皆殺しにしようとしたり「ハイル・ヒットラー」と叫んだりしたら大抵の人は「これは拙い」と思うだろうが,過激でない程度にリベラル寄りの知識体系を得たり,あるいは保守的なそれを得た場合,それは拙いことなのだろか正しいことなのだろうか。 または AI 技術が商業的に使われる際,ユーザに対してサービス・ベンダに有利なマーケティング情報操作がないと証明できるのだろうか。

たとえばビッグ・データを AI 技術の助けを借りて解析し非常に綿密な消費者情報を得たとする。 ビッグ・データ自体は個人を特定する情報を排除した行動パターンのみであれば個人情報保護法には抵触しないしプライバシーの観点からの問題もないだろう。 でも解析された情報を使って特定の誰かの行動を精確に予測し先回りできるとしたら,そこに問題はないと言えるのだろうか。

機械が単なる道具であることを超え個人の活動や考え方に深く関与するようになったとき(現実にそうなりつつある)私たちはそれをどう測定し評価・改善していけばいいのだろうか。

空き地はコモンズか

「コモンズ(commons)」には様々なシチュエーションがある。 Google に機械翻訳させると大抵「下院」と訳される。 また辞書を引くと「入会地3」などと説明されることが多い。

しかし, FLOSS や Creative Commons をはじめ,ネット活動におけるコモンズは「入会地」よりもう一歩踏み込んだところにあり,その考え方の源流は言うまでもなく「伽藍とバザール」である。 まずバザール型のコミュニティがあって,それを駆動するための方便としてコモンズという概念がある。 これは例えば企業同士が集まって行うカテドラル型の patent pool のようなものとは根本的に異なる。

一方で(ネットに限らず)日本におけるコミュニティ活動は「入会地」ですらなく,喩えるなら「空き地で遊ぶ子供4」のようなものである。 空き地で遊ぶ子供は(公有か私有かに関わらず)その所有者を含む大人から「お目こぼし」されている状態である。 しかし当の子供はそれが本来は不法侵入であるとは微塵も思わない。 そして所有者が空き地への侵入を禁止しても別の空き地に移るだけだ。

これの大規模なものが「同人市場5」である。 Creative Commons について日本で活発に議論された2003年から2004年頃にかけて同人市場についてもよく議論に上ったが,当事者たちの考え方は決まっていて「怒られたら逃げればいい」というものだった。

法のデザイン』ではコモンズを法的な「余白」であるとしている。 たとえば米国の fair use 規定などは「余白」と言えるかもしれないが,日本の法律でこのような「余白」があるものは少ないし,仮にあっても行政機関が出す「命令」や「ガイドライン」で埋め尽くされてしまう。 そもそも日本の個人にとって法は(社会契約とかではなく)上から下知される「ご法度」の延長線上にあり6,その運用のされかたは主に「お目こぼし」と「見せしめ」という恣意的なものである。

このような不公正な環境で(トロルならともかく)イノベーションなど生まれるはずもなく,あえてそれを狙うなら(海外に税金を払うことになっても)活動拠点(および準拠法)を海外に置くことが「法のデザイン」を考える上で賢明な選択になってしまうのだろう。

CCjp という温度差

私が『法のデザイン』を読もうと思ったのは著者の水野祐さんが CCjp の理事であるというのがきっかけである。

CCjp については,ライセンスや “State of the Commons” の翻訳活動に対しては敬意を表すものだが,それ以外の活動や組織としてのビジョンが全く見えない。 これは本家 Creative Commons が明確に Free Culture に舵を切ったのとは対照的である。 この温度差の原因を『法のデザイン』から窺い知ることができないかと思ったのである。

最終的にこの本の印象は「広告記事」である。 第二部の各論はとても参考になるが参考になるだけ。 あれを読んで「よし! 私も!」とか思う人はいないだろう。 この辺は同じ CCjp の理事の方が書かれた『フリーカルチャーをつくるためのガイドブック』とはだいぶ異なっている。 SIer とか企業の法務部向けの本って感じかな。

CCjp がこの本と同じ方向を向いているかどうかは分からないのだが「何処を向いているか分からない」という点では共通しているかもしれない。

ブックマーク

参考図書

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法のデザイン
水野祐
フィルムアート社 2017-02-28
評価

知ろうとすること。(新潮文庫) 遙かなる他者のためのデザイン ―久保田晃弘の思索と実装 ウェルビーイングの設計論 ―人がよりよく生きるための情報技術 未来を築くデザインの思想 ―ポスト人間中心デザインへ向けて読むべき24のテキスト ブリッジング これからの僕らの働き方 次世代のスタンダードを創る10人に聞く (早川書房) 逆説のスタートアップ思考 (中公新書ラクレ) Processing クリエイティブ・コーディング入門 ―コードが生み出す創造表現 完全対応 新個人情報保護法-Q&Aと書式例- ケース・スタディ ネット権利侵害対応の実務-発信者情報開示請求と削除請求-

Kindle 版出てたのかよ待てばよかった orz 強いて言うなら第二部の各論は参考になる部分も多い。

reviewed by Spiegel on 2017-04-07 (powered by G-Tools)

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CODE VERSION 2.0
ローレンス・レッシグ 山形浩生
翔泳社 2007-12-19
評価

コモンズ~ネット上の所有権強化は技術革新を殺す FREE CULTURE REMIX ハイブリッド経済で栄える文化と商業のあり方 勉強の哲学 来たるべきバカのために (文春e-book) あたらしい人工知能の教科書 プロダクト/サービス開発に必要な基礎知識 スターティングGo言語 ネットメディア覇権戦争~偽ニュースはなぜ生まれたか~ (光文社新書) ヴェニスの商人の資本論 (ちくま学芸文庫) プログラマのためのSQLグラフ原論 リレーショナルデータベースで木と階層構造を扱うために 弱いつながり 検索ワードを探す旅 (幻冬舎文庫)

前著『CODE』改訂版。

reviewed by Spiegel on 2017-04-07 (powered by G-Tools)

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FREE CULTURE
ローレンス・レッシグ 山形浩生
翔泳社 2004-07-22
評価

CODE VERSION 2.0 コモンズ~ネット上の所有権強化は技術革新を殺す REMIX ハイブリッド経済で栄える文化と商業のあり方 IT技術者なら知っておきたい ストレージの原則と技術 ブラウザハック 統計でウソをつく法 (ブルーバックス) IoTとは何か 技術革新から社会革新へ (角川新書) 失敗のメカニズム 忘れ物から巨大事故まで<失敗のメカニズム 忘れ物から巨大事故まで> (角川ソフィア文庫) ヤバい会社の餌食にならないための労働法 科学の発見 (文春e-book)

Free Culture の原典。白田秀彰さんの「FREE ANNOTATION」も併せてどうぞ。

reviewed by Spiegel on 2017-04-07 (powered by G-Tools)

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フィルターバブル──インターネットが隠していること (ハヤカワ文庫NF)
イーライ・パリサー 井口耕二
早川書房 2016-03-09
評価

インターネット的 (PHP文庫) ウェブ社会のゆくえ―<多孔化>した現実のなかで (NHKブックス No.1207) 情報の文明学 (中公文庫) ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書) 五〇億年の孤独:宇宙に生命を探す天文学者たち

ネットにおいて私たちは自由ではなく,それと知らず「フィルターバブル」に捕らわれている。

reviewed by Spiegel on 2016-05-07 (powered by G-Tools)

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著作権2.0 ウェブ時代の文化発展をめざして (NTT出版ライブラリー―レゾナント)
名和 小太郎
エヌティティ出版 2010-06-24
評価

著作権法がソーシャルメディアを殺す (PHP新書) 「ネットの自由」vs.著作権: TPPは、終わりの始まりなのか (光文社新書) 著作権とは何か―文化と創造のゆくえ (集英社新書) ビジネスパーソンのための契約の教科書 (文春新書 834) REMIX ハイブリッド経済で栄える文化と商業のあり方

名著です。今すぐ買うべきです。

reviewed by Spiegel on 2014/08/02 (powered by G-Tools)


  1. 日本の場合,「4つの規制」は Lawrence Lessig 氏の『CODE』で紹介されたことで一般に認知されたと言っていいだろう。しかし背景となる新シカゴ学派の理論まで認知されているとまでは言えない状況である。 [return]
  2. GNU GPL は法律ではないが一種の契約であり「4つの規制」のうちの法に属するものと考えられる。余談だが,何故か最近になって日本で話題の MastodonAGPL で公開されている。これは SaaS 向けのソフトウェアに対しても改変バージョンの公開を求めるものである。 [return]
  3. 「入会地 (いりあいち) 」は Wikipedia では「村や部落などの村落共同体で総有した土地で、薪炭・用材・肥料用の落葉を採取した山林である入会山と、まぐさや屋根を葺くカヤなどを採取した原野・川原である草刈場の2種類に大別される」などと説明されている。 [return]
  4. 「空き地で遊ぶ子供」といっても今時の人はピンとこないかもしれない。「ドラえもん」など昭和の作品で描写されるくらいか。 [return]
  5. 同人活動と言っても本来的な意味での「同好の士による閉じた活動」もあれば「パクリ上等」なものまで様々なレベルがあるので一絡げに論じるのは無茶だと分かっているのだが今回はご容赦。今では大規模なイベントにおいては国際的な認知度も上がったため「自主規制」されているし,職業作家や出版社も出品するので煩く言われることも少なくなっているように見えるが,結局は職業作家や出版社の「お目こぼし」で回っているという事実には変わらない。これは TPP 知財部門に対して「二次創作」の部分だけに反応するという点からも窺い知れる。 [return]
  6. 私は「悪法も法」とは思わないけどね。むしろ「ルールが守られないのはルール自体に問題がある」と考える。実際にルール・メイキングを行う際にポイントになるのはそこだと思う。 [return]

May 02 2017

島根 温泉津 開おん。なんと精米率90%の豪快なお酒。燗酒で
島根 ✚旭日 2種。両方とも燗酒で。
島根 天穩。にごりを燗酒で。ウマウマ
炙りもので晩飯中

State of the Commons 2016 - remark

State of the Commons” の2016年版が出ないなぁと思ってたら出てました。 おそらく今年のグローバルサミットに合わせて公開されたと思われ。

今回は日本語版がある。 CCjp の中の人が翻訳作業に携わったらしい。 仕事してるんだねぇ。

2016年の目玉は何と言っても検索サービスのリニューアルと CC0 コンテンツの拡充だろう。

These stories also echo the work we’ve been doing in areas like 3D printing, usability, and global community building. A spotlight on the British Museum, which released 128 models of sculptures from the Roman and Egyptian periods on the 3D design sharing platform Sketchfab and a tale of remix and community among the more than 1.5 million CC licensed objects on Thingiverse is proof that our community is front and center, and it’s working together better than ever.
via Our biggest report yet: State of the Commons 2016

CC Licenses の中で,いわゆる Free Culture Licenses で許諾されたコンテンツの占める割合は以下の通り。

CC Licenses 2015年 2016年 CC0 or PDM 3% 8% BY   24% 20% BY-SA    37% 37%

依然 BY-SA ライセンスの割合が(CC Licenses 全体を通して)最大だが, BY ライセンスの割合が減少してるのが面白いねぇ。 CC Licenses で許諾されたコンテンツの数は増加(12億突破!)しているので,新たに BY で許諾するケースが減ってきているってことかもしれないけど。

ところで,今年のグローバルサミットは CCjp はやっぱりスルーだったのだろうか。 いや,私はもう CCjp に寄付してないしする気もないのでいいんだけど。

ブックマーク

参考文献

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フリーカルチャーをつくるためのガイドブック クリエイティブ・コモンズによる創造の循環
ドミニク・チェン
フィルムアート社 2012-05-25
評価

電脳のレリギオ:ビッグデータ社会で心をつくる インターネットを生命化する プロクロニズムの思想と実践 暇と退屈の倫理学 増補新版 (homo Viator) シェアをデザインする: 変わるコミュニティ、ビジネス、クリエイションの現場 みんなのビッグデータ: リアリティ・マイニングから見える世界

国内における Free Culture の事例が豊富。取っ掛かりとしてはちょうどよい本。

reviewed by Spiegel on 2015/05/07 (powered by G-Tools)

April 29 2017

ほうれん草ソテー
しいたけバターからスタート。

April 27 2017

犠牲フライの1点を死守

April 26 2017

なんとか逃げ切った

April 25 2017

Punycode によるホモグラフ攻撃例とその回避 - remark

たとえば,以下の Go 言語コードで2つの “apple” を考える(元ネタはここ)。

package main

import "fmt"

func main() {
	for _, value := range "apple" {
		fmt.Printf("%#U\n", value)
	}
	fmt.Println()
	for _, value := range "аррӏе" {
		fmt.Printf("%#U\n", value)
	}
}

見た目では分かりにくいかもしれないが,最初の “apple” は US ASCII で2番目の “аррӏе” はキリル文字なんだそうだ。 このコードの実行結果は以下の通り。

U+0061 'a'
U+0070 'p'
U+0070 'p'
U+006C 'l'
U+0065 'e'

U+0430 'а'
U+0440 'р'
U+0440 'р'
U+04CF 'ӏ'
U+0435 'е'

現在,国際化ドメイン名(Internationalized Domain Name; IDN)については xn-- から始まる punycode を使った表記が認められている。 更に punycode を使った「ホモグラフ攻撃(homograph attack)」については以前から議論があり,少なくとも複数の言語の文字が混在する場合はブラウザ側で Unicode 文字による表記がキャンセルされる。 たとえば xn-pple-43d.com は Unicode 表記では аpple.com (先頭の а がキリル文字)だが, Chrome や Firefox といった主要ブラウザでは punycode のまま xn-pple-43d.com と表記される(試さないように)。

しかし複数言語が混在しない場合,つまり最初に挙げたキリル文字だけの “аррӏе” のような場合にはこの制約は効かない。 その言語による真っ当な名前なのかホモグラフ攻撃なのか見分けがつかないからである。 たとえば xn--80ak6aa92e.comаррӏе.com だが “аррӏе” の部分は全てキリル文字なので主要ブラウザでも аррӏе.com と表示される。

PoC として https://www.xn--80ak6aa92e.com/ が用意されているので,皆さんが使っているブラウザで(証明書の詳細情報も含めて)ドメイン名がどう表示されるか確認して欲しい。

さて,この手の攻撃の回避法だが, Chrome についてはバージョン 58 以降であれば xn--80ak6aa92e.compunycode 表記になる。 どういうロジックなのかは不明1。 Firefox については,設定の network.IDN_show_punycode 項目2 を true にすれば強制的に punycode 表記になる。

個人的には国際化ドメイン名は要らんのじゃないかと思うのだが,どうなんだろうねぇ。 果てしなく紛らわしい。

ブックマーク


  1. たとえば Chrome 58 でも「情報処理試験.jp(xn–n9q36mh1hnxuksz7wt.jp)」はちゃんと Unicode 表記になる。 [return]
  2. about:config から設定する。 “punycode” で検索すれば一発で出てくる。 [return]

April 24 2017

“regist” という単語は存在しない - remark

ちょうどspiegel/-f067ee75ff3c" title="“regist” という単語は存在しない – Der Spiegel im Spiegel – Medium">2年前に書いた記事の再掲載です。 マジで英語不得手なものですみません。


仕事で「登録って regist だっけ?」と思ってググったら,あちこちのページで「regist なんて単語は存在しねーよ,くそが!」(←超意訳)と物凄い勢いで怒られた。 正しくは “register”。この単語で動詞も名詞も表せる。

英語不得手なのでどうしてもこの手の勘違いが発生するのよ。 まぁ気が付いたら直すだけだけど。 もしくは,本当は regist は resist の typo で私は今作ってるシステムに反抗したいのかもしれない。

なんてなことはない。

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April 23 2017

やっとかてた

『Goプログラミング実践入門』を眺める - remark

原書のタイトルが “Go Web Programming” となっている通り,『Goプログラミング実践入門』は「Web アプリケーションまたはサービスのプログラミング」について Go 言語のコードをつかって解説している本である。 しかも「実践入門」と言うよりは基礎学習に近いものがある。 したがって既に現場でばりばりコードを書いてる人には物足りないだろう。 そういう人は(少し前に出た本だけど)オライリー・ジャパンの『Go言語によるWebアプリケーション開発』のほうがいいかもしれない。

特徴的なのが, Echo のような有名どころのフレームワークは使わず, net/httphtml/template といった標準パッケージのみで解説しているところ1。 大昔によくあった, TCP/IP の解説を C 言語コードで行ったり CGI (Common Gateway Interface) の解説を Perl のコードで行ってた技術解説本のようなノリがあってなかなか楽しく読めた。

Web アプリケーション以外でもそうだけど,フレームワークって「中身」がちゃんと分かってないと適切に使えないよね。 そういう意味ではよく出来てると思う。 個人的には context パッケージについて解説があるとなおよかったが, Go 言語 の 1.6 をベースに書かれているので無理か。

参考図書

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Goプログラミング実践入門 標準ライブラリでゼロからWebアプリを作る impress top gearシリーズ
Sau Sheong Chang 武舎 広幸 阿部 和也 上西 昌弘
インプレス 2017-03-17
評価

IoTエンジニア養成読本 Electronではじめるアプリ開発 ~JavaScript/HTML/CSSでデスクトップアプリを作ろう プログラミング経験者がGo言語を本格的に勉強する前に読むための本 徹底マスター JavaScriptの教科書 プログラミングの教養から、言語仕様、開発技法までが正しく身につく みんなのGo言語[現場で使える実践テクニック] Elixir/Phoenix 初級②: データベースとクエリ構造体 (OIAX BOOKS) JavaScriptエンジニアが手っ取り早くReactの基礎を理解するための「超」入門書 nginx実践ガイド impress top gearシリーズ スターティングGo言語 WebデベロッパーのためのReact開発入門 JavaScript UIライブラリの基本と活用

Web アプリケーションまたはサービスについて Go 言語のコードで解説。

reviewed by Spiegel on 2017-04-23 (powered by G-Tools)

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Go言語によるWebアプリケーション開発
Mat Ryer 鵜飼 文敏
オライリージャパン 2016-01-22
評価

プログラミング言語Go マイクロサービスアーキテクチャ nginx実践入門 (WEB+DB PRESS plus) 改訂2版 基礎からわかる Go言語 サーバ/インフラエンジニア養成読本 DevOps編 [Infrastructure as Code を実践するノウハウが満載! ] (Software Design plus)

日本語監訳者による解説(付録 B)が意外に役に立つ感じ。 Web アプリケーションだけでなく,サーバサイドで動く CLI アプリへの言及もある。

reviewed by Spiegel on 2016-03-13 (powered by G-Tools)


  1. テストフレームワークや ORM (Object-Relational Mapping) についてはサードパーティのパッケージも紹介している。また RDBMS のドライバは標準パッケージとしては提供されないので,サードパーティのパッケージが使われている(『Goプログラミング実践入門』では PostgreSQL なので github.com/lib/pq を使用)。 [return]
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